スノーピアサー あらすじ
スノーピアサー あらすじ 背景
人類は深刻な地球温暖化に終止符を打つため、冷却物質 CW-7を大気圏上層部に散布した。
その結果は温暖化抑制どころか、なんと地球はマイナス119℃以下の氷河期を向かえてしまう。
先見の明があったウィルフォードだけが地球が凍り付く前に巨大な箱舟列車を準備した。
発電を持続的に続けることができるエターナルエンジンを搭載し、ノアの箱舟のように氷河期を生き延びるための全てがある1001両の列車、スノーピアサーを完成させた。
そして約3000人の人類を乗せ、7年間の走り続けた。
スノーピアサー あらすじ ルールと社会
温暖化から氷河期になってマジで人類終わるって状況になったら、「もう明日の事なんで考えないで好き勝手やりたい事やって死のう」って考えるのが普通だ。
そんな刹那的な衝動に駆られてしまう哀れな羊の群れを管理するには、厳格なルールと社会制度が必要だった。
スノーピアサーには、1等車両、2等車両、3等車両、最高尾のテールの4つの車両区分がある。これがそのままヒエラルキーになっている。
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1等車両 = 特権階級
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スノーピアサーの建造に沢山お金を出した人達。お仕事しないで毎日優雅にリッツ並みのお部屋とラウンジで暮らしてます。
リッツバリのゴージャス車両を見下ろす支配者メラニー
金持ちだがスットコドッコイが群れるラウンジ -
2等車両 = 順特権階級
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スノーピアサーの高っけぇ乗車券を買った人達。お仕事はあるけど大変なお仕事ではない。多くの時間を自由に使う事ができ、かなり良い環境で暮らしてます。
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3等車両 = 労働階級
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労働を条件にスノーピアサーに乗る事を許可された人たち。個室はなくカプセルホテルのような感じのマイスペースと3等ラウンジで生活。当然お仕事は重労働。
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テール = お荷物
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スノーピアサー発射直前にドサクサ紛れに強引に乗った無資格者。列車から下ろして氷漬けはあんまりなので「取り合えず最後尾車両から出るなよお前ら、出たらブチノメス!」状態の人たち。お仕事は交代制で3000人分の汚物処理。
スノーピアサーは、テールは3等以上の車両には入れない、3等は2等以上の車両には入れない・・・と言った移動制限はもちろん、あらゆる面で上位車両の住人が優遇される厳密なルールで機能している社会だ。
言い換えれば、3等、テールは抑圧されまくるので、ストレスでノーミソ爆発しそうな状態、テールは常に反乱を起こすチャンスを狙っている、相当頭悪い連中が大多数。
1等、2等もテールに負けず劣らずのボケカスだが、後述するスノーピアサーを機械的にも社会的にも動かしている機関士メラニーが優秀過ぎるので、反乱を起こす前に摘み取る頭脳でテールの反乱はことごとく潰してきた。
テールが武力行使したこともあるが、3等、テールを鎮圧できる武力もスノーピアサーにある。
「階級社会」「ルール」「労働」の絶妙なバランスを保つことで、スノーピアサー3000人の乗客はギリ生きている。
ツッコミどころ満載スギ
温暖化から恐竜滅亡の氷河期突入という、目薬替わりタバスコぶっかけるようなトンデモ行為で、人類滅亡の危機に直面。
ヤバいから永久的に走り続けることができる列車作ったよ。なんと1001両もあって1等車両はリッツと比較しても負けないハード、ソフトで毎日優雅に生活できる、色んな意味でスゴスギの列車だ。
スノーピアサーはどこは走ってるかというと世界中を爆走!たぶん海の上も走りまくってる!
太平洋横断の線路ってあるん?って疑問を持つような真人間はアッチいってろなストーリー。
JRさん毎日レールの点検、深夜にやってるよね。レールって消耗品だよね。レール摩耗したり自然災害で普通に壊れるよね。と思うマジメ組もドッカイッテロ的に話は超ノンストップでテンポ良くススム。
「スノーピアサーは7年も走ってるから、いろんなところがボロボロで、あと何年走れるかわかんねぇよぉ!」機関士は言ってるが、普通、ノンストップで走ったら、振動でボルトもナットもボロボロで折れる、外れるアチコチぶっ飛ぶはず。
超金属オリハルコン製ならありだが・・・?
まぁ、この辺も娯楽だと思ってバカになって見るとスッゴク楽しめるのがスノーピアサー。
スノーピアサーの見どころ
超ブリキ感満載なスノーピアサーが轟音をたてながら雪を蹴散らして爆走する圧倒的なスケール感は結構な見どころ。
爆走シーンのCGはスゴイ。
列車の中の水族館ばりの食糧用の水槽は、アクアパーク品川っぽいし、牛、鶏、ブタさん飼育してる列車は花畑牧場だし、野菜もハーブも超衛生的なハイテクマシーンで作ってるし、CGスゲーヨーって言いながら、出来上がったフレンチ想像してよだれ垂らしながら見るくらいスゴイCG。
素敵な農園もある
アクアパーク品川っぽい車両
本当の見どころは、スノーピアサーの社会をどうやって管理していくか?政治的、哲学的思想で、メラニーの苦悩しながらも嘘を貫き、時には犠牲者もいとわないスノーピアサーの社会の均衡を守ろうとするところ。
これはこれで、会社やコミュニティなどの組織をどうやって管理していくか?かなり通じるものがあって良い。
ナイトカー クラブみたいなものか?メンタルを癒す車両らしい?
気になるのはメラニー役のジェニファー・コネリーが、トリニティのキャリー=アン・モスに見えてくるのは気のせいか?
スノーピアサーはこの手の話にはありがちな富裕層の資金で建造された、富裕層が生き残るための列車なんだが、その富裕層がお決まりの超バカチン。
富裕層は3等車両の労働者やテールに、嫌悪感と差別の色眼鏡をかけた連中で超バカチンなうえメンヘラチャンまでいてバカばっか。
バカばっかの富裕層を巧みに誘導しつつ社会の均衡を保つメラニーと、テールの頭脳派だがチンコの欲求に弱いレイトンの駆け引きも見どころ。
登場人物
スノーピアサー
エターナルエンジンを搭載し、論理的には永久に走ることが可能なスゴイヤツ。
物理的には振動による摩耗などでボルトやら油圧やらアチコチボロボロで、ギリ走ってる瀬戸際なヤツ。
1001両もあるので、先頭車両から最後尾の車両が見えないどころか、山登りなんて巨大な蛇がとぐろを巻いてる状態になる。
スノーピアサーの車両は山手線とは桁違いにデカそうだが、山手線が1両20メートルなので1001両の20メートルで20,020メートル。スノーピアサーの全長は最低でも約20キロメートルに達する怪物くん。
山手線1周は34.5kmなので、想像を絶する長さだ。しかもスノーピアサーは時速100キロ以上で走る。
キツイカーブとか苦手なんだが、普通に考えてきついカーブもクソもなく脱線するよな普通に・・・
メラニー・カビル
1等車両の接客係。というのは表の顔で、スノーピアサーの設計者であり機関士でありスノーピアサーの真の支配者。
マサチューセッツ工科大学卒らしい?
チラッとネタバレ
スノーピアサーは7年間、テールの暴動・反乱などを沈静化し、ギリ秩序を保ちつつ走っていたが、7年目に2等車両で起こった殺人事件をきっかけに、テールと3等車両の労働者は革命を起こし成功する。
革命は1等・2等車両の住人を断罪せず、すべての乗客が協力して民主的にスノーピアサーを動かしていこうというもの。
ざっくりこんな話だが、7年間スノーピアサーを秩序を保ち動かしていたのは機関士の数名で、その事はすべてのスノーピアサーの住人が知り得ない秘密。
全て住人は、スノーピアサーを作ったウィルフォード財団がスノーピアサーを走らせていると信じ込んいる。
機関士は優秀で、生存確率を上げる為に必要なことを優先し、立場を利用して私利私欲に走るようなことは全くない善人なんだが微妙な欠点もある。
機関士のメラニーに7年も騙されてる事に気付かない3000人って設定も、娯楽だから可能なんだなと納得することで楽しめる。
この物語って、優秀な人はいるが、道徳的に正しくほぼ正しい人間が1人もいない恐怖の世界。
どこかで誰かが愚かしい判断や行為をしてて、主役のレイトン、メラニーも漏れなくかなり変。
メラニーの場合、秩序とリスク回避に特化しすぎて、秘密を知ったら善人でも仮死状態にして死ぬかもしれない秘密の収容所にブッコムし、レイトンは前妻と現在進行形のパートナーの間をフラフラして、前妻妊娠しちゃうし。
ウィルフォードはサイコパス?なのか残虐行為をしても何も思わないし、1等車両の住人は基本バカチン、2等でも目立って優秀な奴ゼロ、3等は目の前の利益しか見えない、テイルは反骨精神マックスの脳みそカラッポ。
スノーピアサーだけが奇跡的頑丈さで走り続ける。
どこまでも娯楽として見ないと、整合性が全く合わない世界観だ。
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