絵心甚八の名言集
- 序章
- 絵心甚八の名言 エピソード1 夢
- 絵心甚八の名言 エピソード2 怪物
- 絵心甚八の名言 エピソード3 サッカーの0
- 絵心甚八の名言 エピソード4 予感と直感
- 絵心甚八の名言 エピソード5 生まれ変わるのは
- 絵心甚八の名言 エピソード6 ごめん
- 絵心甚八の名言 エピソード7 滾り
- 絵心甚八の名言 エピソード8 ゴールの方程式
- 絵心甚八の名言 エピソード9 覚醒
- 絵心甚八の名言 エピソード10 このままで
- 絵心甚八の名言 エピソード11 最後の失片(ピース)
- 絵心甚八の名言 エピソード12 二次選考(セレクション)
- 絵心甚八の名言 エピソード13 TOP3
- 絵心甚八の名言 エピソード14 天才と凡才
- 絵心甚八の名言 エピソード15 喰
- 絵心甚八の名言 エピソード16 三者融合(トライ・セッション)
- 絵心甚八の名言 エピソード17 ヘタクソ
- 絵心甚八の名言 エピソード18 主役の座(ステージ)
- 絵心甚八の名言 エピソード19 Dancing BoY
- 絵心甚八の名言 エピソード20 超連動
- 絵心甚八の名言 エピソード21 俺がいない
- 絵心甚八の名言 エピソード22 声
- 絵心甚八の名言 エピソード23 LUCK
- 絵心甚八の名言 エピソード24 時は来たり
序章
全国高校サッカー選手権大会
埼玉県大会 決勝
一難 対 松風黒王
0 – 1 で松風黒王リード 終盤ラストチャンスの場面
潔世一は「勝てば全国」を頭で連呼しながらゴール前までドリブルでボールを運ぶ。
ゴール前に見方がドフリーで上がってきた瞬間、監督からの「One for all All for one だ!」の怒声に、
「サッカーは11人でやるスポーツだ」と一瞬考えパスを出す。
これで同点と思った瞬間、見方のドフリーでのシュートはゴールポストに直撃。
ボールは相手デフェンダーにわたり、カウンターで相手フォワード吉良涼介に1点を奪われゲーム終了。
「ごめんみんな。おれが、おれが決めてれば・・・」と号泣するチームメイトに
「おまえのせいじゃねって」ってなぐさめるチームメイト。
試合後、監督は
「よく戦った、この負けがいつかお前らの人生で無駄じゃなかったと思える時がきっとくる。俺にとってこのチームが日本一のチームだ!」と号泣。
だが潔世一は「全国にも届かなった県予選で敗退したチームだ。おれはそのチームの無名の二年生フォワード。それが現実。」と冷めた目で見つめる。
「もし、あの場面でパスじゃなくてシュートを打ってたら、おれの運命は変わってたのかな?」と帰り道に回想する。
家に帰り、日本フットボール連合から強化指定選手に選ばれたという連絡を受ける。
それが物語の始まり。
絵心甚八の名言 エピソード1 夢
世界一のストライカーになることよりも、こんなサッカー後進国のハイスクールで一番になるほうが大事かぁ?あぁ?
いいか?日本サッカーの組織力は一流だ。他人を思いやる国民性のたまものと言える。
でもそれ以外はまちがいなく二流だ。
サッカーとは何だ?
11人でちからをあわせて戦う?
きずなを大事に?
けんしんてきに?
なかまのために?
だからこの国のサッカーはいつまでたっても弱小なんだ。
教えてやる。
サッカーってのはな、相手より多く点をとるスポーツだ。
点をとったやつが一番エライんだよ。
仲良しきずなごっごしたいなら、帰れ・・・
世界一のエゴイストでなければ、世界一のストライカーにはなれない。
常識を捨てろ。ピッチの上ではおまえが主役だ。
おのれのゴールをなによりの喜びとし、その瞬間の為だけに生きよ。それが ストライカーだろ?
絵心甚八の名言 エピソード1 夢 名言説明
絵心甚八にはサッカーで世界一になるための明確なビジョンがあり、世界一のストライカーを養成する方法論がある。
絵心は
「日本代表や日本人サッカー選手にはそれがまったくないから重症なんだよと。理解できないやつと付き合うつもりはない。」
という明確なスタンス。
集められた300名すべてが高校生かは不明だが、人生経験の少ない高校生が理解するには視野が狭すぎて普通は理解できない。
だが絵心は「帰りたいやつは帰れ」と言い放ち、ハッキリと「お前などいらないよ」という明確な意思をぶつけてくる。
絵心のサッカーで世界一になるための明確なビジョンとは、
11人でちからをあわせて戦う?
きずなを大事に?
けんしんてきに?
なかまのために?
とは真逆の、
1人で戦え!
きずな、どうでもいい!
自己中心的に戦え!
自分の為に戦え!
を体現できるストライカーであり、サッカーは1人の傑出した人間が作るスポーツだという理論を前提としたサッカーだ。
よく日本代表に見る光景で、誰かのフィールドのプレイを同じ代表がゲーム中に拍手したり、ミスしてもかばいあったりする姿勢にウンザリしているのは絵心だけではなく、サッカーファン経験者なら少なからずいるだろう。
正直、あれってちょっと気色悪いわと思う。
長友が嫌いなわけではないが、ベスト16で終わってブラボーと言える心境が理解不能だと絵心なら言うだろう。ベスト16なら20年前の2002年に中田英寿の活躍で実現されているし。
第一話は、そんな日本サッカーのクソな現状を全否定する絵心の強いエゴから始まる。
絵心甚八の名言 エピソード2 怪物
理不尽?
そうですよ。これが勝負の世界ですから。
おまえが軽々しくあこがれてる、ワールドクラスのストライカーはこんな勝負の日常を命がけで生き抜いてる。
どうですか?
生まれて初めて人生を賭けて戦った気分は?
ビビったろ?
しびれたろ?
そして震えただろ?
やった、おれは生き残ったって。
それが勝利だ。よ~く脳にきざんどけ。
その快感を味わうたびにおまえらの中エゴは育ち、そして世界一のストライカーという高みへと昇っていく。
いいですかぁ?サッカーはもともと点を取るスポーツです。
おまえらの中にバカみたいすり込まれてるポジションや戦術なんてのは、サッカーの進化の歴史で成立してきたタダの役割であって、
サッカーとは元来、全員がストライカーであることからはじまった。
その原点からサッカーをやれ。
おまえらの頭でゼロからつくりなおすんだよ。
いままでの常識なんて信じるな。捨てろ。
新しいが概念を脳みそにぶちこめ。
いま、日本が世界一になるためにもっとも必要なのは、11人のチームワークじゃない。たったひとりの英雄なんだよ。
メッシ、クリスティアーノ・ロナウド、ネイマール、そんな一人の存在によってサッカーは無限に進化する。
そいつを止めるために、ディフェンスシステムが想像され、それを凌駕するために、また新しい戦術がうまれる。
たった一人のプレーが、チームを、国を、世界を変えていく。それがサッカーというスポーツだ。
絵心甚八の名言 エピソード3 サッカーの0
まず、日本という国の話をしよう。日本人ってのは役割をあたえられ、それをまっとうするのが好きなやつらだ。
たとえば、日本が世界とわたりあえる数少ないメジャースポーツであるベースボール。
攻守が完全に分かられたイニング制であり、タックルとうの体のぶつかり合いのないフィールド、明確にその役割を与えられているこのスポーツは、日本人の特性に非常にマッチしています。
ゆえにツヨイ。
でも、サッカーは違う。その局面で攻守が一変する自由度が高いオープンフィールド。
そして肉弾戦。
このスポーツは、与えられた役割をまっとうするだけでは勝てないようにできている。ゆえに必要なのは、独力。おまえ一人の個のちからだ。
いま日本人が世界にほこれるポジション、それはミッドフィルダーとサイドバッグだ。フォア・ザ・チームで身を粉にし、ストライカーの1を100にするポジション。
そしてこの献身性がなければ、日本サッカーはここまで進化しなかったといってもいい。
ゆえに革命はおきない。
ヒッヒィ
さぁ才能の原石どもよ。意識を書き換えろ。
サッカーにおいて得点を奪うというのは、相手の組織を破壊するということ。
つまりストライカーとは破壊者であり、ゴールとは敵の秩序を破壊するピッチ上の革命だ。
才能の原石どもよ。
決して役割という枠に収まるな。ゼロからイチをうむために。
武器を持てストライカーよ。
見極めろ。敵の組織をほんろうし、ねじふせ、破壊する、おのれだけの武器を。
思考しろ。その肉体と脳で。おまえ何ができるのかを?
ゴールという革命をおこすのは、いつだっておのれの武器だ。勝利はその先にしか存在しない。
馬狼照英の名言
おれの前に立つな。ぶち殺すぞ。
いいか、おぼえておけヘタクソども。
おれにとってボールは友達でもなんでもなく、おれを輝かせるためのタダの球体下僕だ。
ピッチのうえじゃ、おれがキングだ。
絵心甚八の名言 エピソード4 予感と直感
絵心甚八さん登場機会なし・・・
絵心甚八の名言 エピソード5 生まれ変わるのは
武器を見つけることがストライカーの第一条件だ。
次のステップはその武器を磨いて伸ばせ。突出させろ。
たとえばアルゼンチンの世界的ストライカー、リオネル・メッシ。彼の武器は独特かつ細やかでスピーディなタッチのドリブルと、そろしく振りの速い左足のシュート。そこにおいて彼は地球上で最も突出したプレイヤーだ。
ゆえに彼はトップストライカーに君臨し続けている。
おまえらが持っている武器はそれぞれがちがう。だから磨き方も当然それぞれでちがってくる。メッシの真似をしたっておまえの武器は輝かない。
ゼロをイチにできるおまえだけの武器に、何を掛け算すれば強力に進化するのか?
おまえだけのプレイを見つけだして突出させろ。才能いう熱い原石は磨かなければ自己満足のゴミとかす。
絵心甚八の名言 エピソード6 ごめん
絵心甚八さん登場機会なし・・・
絵心甚八の名言 エピソード7 滾り
絵心甚八さん登場機会なし・・・
絵心甚八の名言 エピソード8 ゴールの方程式
世界一のストライカーに必要なのはゴールの再現性だ。
劇的なゴールであればあるほどその印象はつよいが、その一撃だけで終わってしまう選手は世界でも多い。
なぜもう一度おなじようにゴールをうばえないのか?それはそのゴールが偶然の産物にすぎなかったからだ。ましてや裏切りのやらせゴールなんて再現性ゼロのゴミ。
今おまえらに必要なのは、ゴールを生み出すための方程式だ。
おのれの武器がいつ、どんなコンディションでゴールをうばえたのか分析しろ。
ゴールまで何メートルだった?
ディフェンスは何枚いた?
どこでパスをうけた?
そのとき何を感じていた?
そのすべてをおのれの中で熟知して再現せよ。
ポジショニング、タッチ、ドリブル、シュート、自分が最も輝ける方程式を体現しろ。
世界的ストライカーはおのれだけのゴールの方程式をもっている。
おまえらはまだ偶然の中で生きている。それじゃあだめなんだ。
再現性のある成功の先にしか進化はないと思いしれ。
試合なんてものは、イレギュラーしかおこらない。そんな戦場のなかで、おのれが描いた方程式を証明するもの、それがゴールを爆発的に量産する世界一のストライカーという存在だ。
たまたま勝つな。勝つべきして勝ち取れ。
絵心甚八の名言 エピソード9 覚醒
勝つか負けるか生きるか死ぬか。その極限状態の死線を超えるたびに、ストライカーは覚醒をよぎなくされる。
おれが見たかったのはこれだ。
アンリちゃん、ちなみに覚醒ってなんだかわかる?
え、えぇっと凡人が超人になったりするアレの事ですよね。スーパーサイヤ人的な?
うん、ぜんぜんちがう。
そりゃまだ成功体験のない人間の夢見がちなバカな妄想だよ。
覚醒とは思考と経験の蓄積の上に起こるパズルだ。
失敗と試行錯誤をかさね、それでも勝とうと極限に立ち向かうときバラバラだった成功へのピースがかみあって、エゴは開花する。
つまり覚醒とは、おまえがオマエヲ学習する瞬間だ。
覚醒とは常に極限状態でのみ起こる代物だ。
たとえば自分より強大な敵と相対したとき、弱者はおのれの能力を集約させることで勝つための新たな方程式を発明する。
絵心甚八の名言 エピソード10 このままで
絵心甚八さん登場機会なし・・・
絵心甚八の名言 エピソード11 最後の失片(ピース)
すべてはおまえらのクソぬるい自信をぶち壊し、世界一になるためのハングリー精神を育てるためにオレが仕組んだカラクリだ。
いいか、たとえばノレル・ノア、現在世界最高のストライカーと称される彼は、フランスのスラム街で育った。
犯罪と貧困の中で彼にとって自分の運命を変えるすべは、ボール1つ。
比喩でもなんでもなくサッカーだけだった。
世界には、そんな境遇で育ったストライカーがいくらでもいる。
彼らのゴールに対するハングリーははかり知れない。
サッカーで負けても生きていけるヌルイ日本で過ごしてきたおまえらには、到底たどりつくことのできないゴールへの飢え。
それを手に入れるのがブルーロックだ。
げんにおまえらは自分より上の人間をぶっ壊したいと思って、オレが勝つと信じてここへ来たんだろ?
そのハングリーが世界を変えるエゴになる。
一次セレクションはゼロからイチをたちあげる、ストライカーという存在の意味を知るたたかいだった。
ここからは最新鋭のトレーニングフィールドで、おのれのイチをヒャク(100)に変える戦いだ。
絵心甚八の名言 エピソード12 二次選考(セレクション)
このステージのクリア方法は、ひとりひとりの能力の使い方で違ってくる。
ここまで誰かのゴールで生き残ってきた者にとっては、振るいにかけられる90分となるだろう。
しかし、ゼロをイチにできるもの、おのれの武器持つストライカーにとっては、その才を研ぎ澄まし洗練できる進化の場所となる。
武器の使い方をテストしろ。そして上達を実感しろ。この部屋を出るときおまえらは次の次元のストライカーとなる。
実戦さながらのハイレベルなボール供給に、ランダムに動くダミー。
これはワールドクラスのゴール前を人工的に再現したシチュエーションだ。
状況把握、反応、シュートの精度とクオリティ。そしてそれを90分間持続させる体力。
心技体を兼ね備えなければ、ここを突破する事はできない。
偽物はここでおのれの非力を痛感する。
絵心甚八の名言 エピソード13 TOP3
絵心甚八さん登場機会なし・・・
絵心甚八の名言 エピソード14 天才と凡才
絵心甚八さん登場機会なし・・・
絵心甚八の名言 エピソード15 喰
絵心甚八さん登場機会なし・・・
馬狼照英の名言
寝てろ凡人。オレの行動はオレが決める。
生きたいように生きて勝ちたいように勝つ。
これがオレの帝王学だ。死んどけ。下民ども。
絵心甚八の名言 エピソード16 三者融合(トライ・セッション)
じゃあひとつおまえらに問う。
才能とはなんだ?
持って生まれた天賦の才か?はたまた、めぐまれた身体能力か?
おれに言わせりゃ、そんなもんはただの原石にすぎない。
いいか?才能とはおのれの能力を証明するちからのことだ。
その人生をかけておのれが信じ、夢見た能力をこの世界に証明する人間。それをおれは天才と呼ぶ。
絵心甚八の名言 エピソード17 ヘタクソ
絵心甚八さん登場機会なし・・・
絵心甚八の名言 エピソード18 主役の座(ステージ)
敗北ってのは勝負の世界に必ず発生するただの現象だ。
たとえ世界一のストライカーでも全戦全勝なんてのはありえない。
だいじなのは敗北に何をまなぶかだ?
敗北した者はそのフィールドから否定される。たたかうものにとってそれ以上の絶望はない。
なのに多くの凡人どものは、この絶望を正しく刻まない。ここ重要。
自分に才能が無く非力だったと否定され、間違いを認めるのが怖いから無意識に言い逃れをするんだ。それはそれは見事に無意識に。
いままでの努力を無駄にしないためにも、諦めないのが正解だとおのれを錯覚させる。
それをオレは夢のドーピングと呼ぶ。
かなえるためにあったはずの夢が、いつの間にか追う事が目的にすりかわる。そうやっておのれをごまかし続ける。
夢の亡霊になったゴミにオレは1ミリも興味はない。夢はかなえるために生きなきゃ意味がない。
だからこそ、敗北は夢の岐路だ。
必要なのはこの瞬間におのれの非力を痛感できる強さ。
絶望する才能だ。
思い描いた夢の道筋をあきらめることでしか見ることができない道筋があり、それが新しいおのれの可能性となる。
絶望してもなお戦わんとする人間に、夢をかなえるちからは宿る。
絵心甚八の名言 エピソード19 Dancing BoY
絵心甚八さん登場機会なし・・・
絵心甚八の名言 エピソード20 超連動
絵心甚八さん登場機会なし・・・
絵心甚八の名言 エピソード21 俺がいない
奇跡とかそんなヤッスイ言葉で終わらせるところが凡人まるだし、アンリちゃん。
ここで自分がゴールをするというメンタルとそれをかなえるスキル。そしてフィールドの戦況と選手の環境。
あらゆる条件が最適に重なりあうとき、パフォーマンスは人知を超える。
奇跡は説明できるんだよ、アンリちゃん。
そしてセレクションの先にその方程式も存在する。
絵心甚八の名言 エピソード22 声
絵心甚八さん登場機会なし・・・
絵心甚八の名言 エピソード23 LUCK
運とは何か?
フットボールの世界における運のカラクリについて。
敗れ去る凡人は足りない脳みそで、そう都合よく解釈して事実を捻じ曲げる。
まずは1つ問う。
お前らはハトにフンを落とされたことはあるか?
あれって最悪だよねぇ。
で、かかった後になって気付くんだ。
足元にはいっぱいフンが落ちてて、見上げたらいっぱいハトがいたって事に。
でも先に気付いてれば避けられたこの事象を運が悪かったと言えるか?
もう1つ問う。
たとえば夏祭りのくじ引き。店主が当たりを1枚も入れてなかったとしたら、はずれたヤツは運が悪かったと言えるか?
運はどこにでも存在するものじゃなく、落ちる場所にいるものにしか舞い降りない。
それはフィールドの上でも同じ事。
フットボールは90分間に起こる、必然と偶然の連続だと考えろ。
思い出せ。ゼロからイチを生み再現性を高め、己の武器の方程式を持つ。
ブルーロックでお前らが学んできたことは全て、ゴールの必然率を高める訓練と言えるだろう。
だが、敵の必然と見方の必然がぶつかり合うとき、望まずとも偶然は発生しそれが運の震源地となる。
この最後のシーンがこれだ。
16番がドリブルで抜け出して、シュートに向かうこの瞬間、減速、または足を止めたのはこの5人。
突破を読んで走り続けいた15番以外は、瞬間の判断でシュートの行方を傍観した。
しかし、ただひとり、1番はスピードをおとすどころか、15番の方へ加速した。
自分へのパスはないと判断した1番は、15番の動きを瞬時にとらえ、シュートがはじかれるという偶然の発生に賭けて走り続けたんだ。
ちょっとまってよ。確かにそうだけど、ボールが底に落ちてきたのはタマタマだろ。誰のところにも落ちる可能性はあったじゃん。
そうだよ。
でもそれはただ、マイボールになるっていう可能性でしょ。
仮に、1番があのとき周りと同じように減速していたとしよう。
たしかにそこにもボールは飛んできたかもしれない。
でもその位置でボールを手に入れたとしても、シュートする前に敵のディフェンスがワンアクションでとどいてしまう。
つまり、ストライカーにとってそれはハズレの場所だ。
だから1番は加速した。
ワンアクションでゴールが狙える位置に。
当たりが引ける場所でただ1人運を待ったんだ。
むろんあのボールが相手チームに渡っていた可能性もあった。そのなってたら、カウンターがハマって勝敗が逆転していただろう。
そのくらい紙一重な熱い試合だった。
確かに最後に運が勝敗を分けたのは間違いない。
ただ運がめぐって来たとしても、傍観してただけのヤツはそのチャンスを無駄にする。
そりゃそうだよな。
偶然に対する心構えができないんだから。
運はふってきてから考えたってもう遅いんだ。
いつでも掴みとれるように。
己を高め、チャンスが落ちてくる場所を見極めて待つ。
そんな嗅覚を持つ人間にしか運の女神が微笑まない。
サッカーには運も偶然もあるんだよ。
お前はまだこの結果がただの偶然だと泣きわめくか。
運に翻弄されているうちはまだ2流だ。
死力を尽くしたなら胸をはれ。
その先に待つ偶然の結果を受け入れて刻む人間になれ。
真に戦う人間にのみ、運は平等にふり続ける。
絵心甚八の名言 エピソード24 時は来たり
絵心甚八さん、登場するけど名言なし。
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